2013年に先進的地域包括ケアモデルを実践する目的にて、大学病院をもつ学校法人としては全国で初めて藤田保健衛生大学地域包括ケア中核センター(訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所)を開設し「在宅医療・介護」をスタートしました。2015年には「予防・生活支援・すまいと住民互助」を実践するために豊明市・UR都市再生機構と協力し豊明団地内に医療介護専門職が街中に常駐する「通いの場」である「ふじたまちかど保健室」を設置しました。同時に大学学生が60人ほど団地高層階に居住し、地域住民として「互助の担い手」となる「おとなりプロジェクト」を開始しました。2017年には全国唯一となる大学運営による在宅医療介護連携センターである「豊明東郷医療介護サポートセンター かけはし」を団地内に設置し、地域の医療介護専門職教育が加速しました。2019年には全国初の自治体職員等教育を目的とした「地域包括ケア人材教育支援センター」を設置し、自治体の地域包括ケア人材育成を行っています。2020年には幸田町・岡崎市に地域包括ケア中核センターサテライト(訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所)を設置し、先進的地域包括ケアを実践しています。
「ふじたまちかど保健室」「おとなりプロジェクト」
「ふじたまちかど保健室」は平日毎日、団地商店街の店舗にて、センターの専門職が常駐し、住民の健康相談や健康教室などを無料で実施する「地域住民の通いの場」です。年間約5,000人の住民が利用し予防・生活支援・すまい・医療・介護に関する様々な相談や、暮らしに関する講座が年間400講座ほど開かれます。「おとなりプロジェクト」は大学生60人ほどが豊明団地の4・5階に居住しながら学部学年をこえて住民互助の担い手として地域貢献活動に参加し、地域住民との交流や活動に参加しながら課題を「実体験」し、買い物支援・生活支援・自治会支援など「地域包括ケアの体験」と「地域課題解決」に取り組んでいます。
地域包括ケア人材教育支援センター
我々の「地域包括ケア」の取り組みは豊明市との協力関係で発展し、「藤田・豊明市モデル」と呼ばれ、国政の根幹となる内閣官房「未来投資会議」、内閣府「経済財政諮問会議」関連委員会への招聘等、のべ350を超える団体や海外視察があり、豊明市は2019年度の自治体視察数全国2位となり国内外から大変注目されています。この経験を全国の自治体における「地域包括ケア」推進に活かすため、自治体職員人材教育を開始しました。地域実情に沿った、最適化された「地域包括ケア」が推進されるよう、医療・介護連携に加え、専門職・行政連携にも取り組んでいます。