少しでも患者さんの役に立ちたい
その強い思いを持ち続けたい
1年目の教育環境としては最高レベルだった
私は学生時代の臨床実習中から、藤田医科大学リハビリテーション部門に強い憧れを持っていました。それぞれの先輩が専門知識を研鑽し、患者さんのために何ができるのかを常に考え、リハビリテーション医療を提供しているからです。その後ろ姿に自分の将来像を重ねて、藤田医科大学リハビリテーション部門に応募しました。
藤田医科大学リハビリテーション部門では卒後教育が充実しており、先輩理学療法士がマンツーマンで業務から臨床まで1年間指導してくれる他、藤田医科大学の臨床教員の理学療法士から直接週1-2回臨床指導を受けることが出来ます。この臨床教員からの指導は2年目以降も受けることができ、経験豊富な教授や准教授から臨床を通じて知識・技術を習得出来るのは、素晴らしいシステムだと思っています。実際に働き始めてしばらく経つと、自分一人で出来ることが増えていることに気づきました。リハビリテーションの技術や治療は、自分ひとりで勉強したり考えたりしていても限界があって、上手い療法士やリハビリテーション科医の知識・手技を盗まないと成長できません。実践的で患者さんの状態に合った治療を提供するための引き出しを、新人の1年間で先輩たちから学び、増やすことが出来たのは大きな収穫でした。
臨床に還元するための異動であり研究である
藤田医科大学リハビリテーション部門にはそれぞれ役割の違う4つの教育病院(藤田医科大学病院、七栗記念病院、ばんたね病院、岡崎医療センター)があります。療法士は経験を積むために、この4病院間を異動していきます。一つの病期だけを経験していたのでは一流になることは難しく、複数の病期を経験することが相乗効果を生み、各病期での介入の腕がさらに上がると教えてもらいました。急性期、回復期、生活期(地域)と、どこが一番楽しいか、自分に合うかというのは人によって違うとは思いますが、私は患者さんのあらゆる病期のリハビリテーション医療に関わることでまずは大きく成長し、それから興味のあるフェーズに進みたいと思います。
また、何年目からでも、どの病院にいても研究は可能です。私はもともと研究に興味があり、2020年度からWPAL(Wearable Power-Assist Locomotor)という股・膝・足関節に屈曲伸展自由度と力源を有する歩行補助ロボットを用いて、対麻痺患者さんに対する臨床研究を行うグループに入りました。グループの先輩から指導を受けながら、筋電図や動作分析装置を用いて歩行練習の筋活動への影響などを日々研究しています。研究グループは療法士の他、リハビリテーション科医、リハビリテーション工学士、義肢装具士、企業の方々(産学連携)といったさまざまな職種で構成されています。リハビリテーション科医や療法士のように毎日コミュニケーションを取る職種だけでなく、普段関わることのない職種のスタッフと議論することで自分にはない知識や視点を得られるため、研究の時間も凄く楽しみです。さらに、研究すると臨床が磨かれます。研究の論理や知識を持って臨床を行うと、甘かった部分があぶり出され、無駄を削ぎ落とすことができます。今は大学病院で急性期の臨床を行いつつ、車椅子生活中心の対麻痺患者さんが歩行練習することで得られる成果を追い続けたいと思っています。
充実した日々を過ごすために心がけていること
同期の理学療法士には、藤田医科大学卒だけではなく、他大学出身者も多く在籍しています。同期同士は、出身大学・年齢等に関係なく「絆」があります。困った時は助け合い、分からないことは一緒に調べ、お互い切磋琢磨し、良きライバルでもあります。一緒に働く同期がいたからここまで頑張ることが出来た、とも思います。
藤田リハビリテーション部門は365日リハビリテーションをモットーとしているため、療法士は土日の勤務がありますが、その分、平日に代休を取ることができます。加えて有給休暇は、希望日を取得しやすく、自己研鑽や趣味に使っています。私は、趣味のバイクで外出したり、サーフィンを楽しんだり、できるだけ臨床・研究のこと以外をやるように工夫しています。もちろん学会や研修会に参加することもありますが、一見仕事と関係ないようなことを色々とやってみることで研究や臨床の気づきになるため、休みの日にはしっかりと「休む」ようにしています。
給与やボーナスは、家族との食事、趣味、研修会への参加などに使っています。積立貯金もしながら、自分への投資をしっかり行うよう工夫しています。給与やボーナスの使い途を考えることは、仕事へのモチベーションアップにも繋がると思っています。
論理的に考える 人の意見を聞いてみる
あらゆる職種で専門知識が豊富な凄い先輩が大勢勤務している職場で臨床・研究ができるのは、とても恵まれている環境だと思います。常に新しい刺激を受けながら働くことが出来る環境は、確実に自身の成長に繋がっていきます。先日、治療が難渋していた自分の担当患者さんについてスタッフ全員でカンファレンスを行い、自宅退院へと繋げることが出来ました。自分と自分の職種だけの視点に固執するのではなくて、コミュニケーションを取ってたくさん意見を出してもらい、より良いプログラムを立てることの重要性を実感するとともに、大きな達成感と強い責任を感じました。臨床の楽しさがまた一つ分かった気がします。一人でも多くの患者さんを担当し、少しでも患者さんの役に立ちたい。そのために日々努力し、精進したいと思っています。
振り返ってみると、学生時代から「常に考えて行動に移すこと」「コミュニケーションを大切にすること」を心がけてきました。一人では解決出来ないこともありましたが、周りの人たちとコミュニケーションをとり、助けられながら前進してきたと思います。後輩ができた今、論理的に考えること、良いコミュニケーションをとることを教えられるように、そしてそれが自分でもより上手くできるように成長を続けていきたいです。これを読んでくださっている皆さんと一緒に働ける日を心待ちにしています。
田口 雄太
理学療法士
藤田医科大学保健衛生学部リハビリテーション学科卒
2019年入職 藤田医科大学病院リハビリテーション部