療法士の教育の特徴

超一流の療法士育成を目指す

藤田医科大学リハビリテーション部門では、療法士教育を一新すべく2004年からCOSPIRE (the Clinical-Oriented System for Progression & Innovation of Rehabilitation Education:COは共に、SPIREは芽を出す、成長するという意)を導入し、療法士の卒後教育に力を注いできました。COSPIREは、臨床チームの中にリハビリテーション学科の教員が一緒に参加し、実際に患者を治療しながら、若手療法士や学生に教育するというプログラムです。多くの教員が臨床現場の中で教育に参加します。臨床のなかで教員が専門家としての「背中を見せる」ことで、若手療法士に専門家のモデルを提示します。

COSPIREの概念

1. 臨床が中心

療法士という専門家は、リハビリテーション医療の臨床を活動の場とする職種です。「今日の患者さんを助けつつ明日の臨床をより良くするため」臨床・教育・研究に励みます。臨床が中心であることが全ての前提となります。

2. 専門家教育の目的

私たちは、専門家教育を「社会貢献と発展の継続性を確保するための仲間創り」と考えています。

3. 学習方法に基づいた教育

療法士教育プログラムは、卒後の臨床現場での問題解決を基準課題として、学習法則に基づきます。臨床現場で、適切な治療が出来ること、良質な経験を積むこと、その中で伸び続けることが大切です。

4. 専門家による教育

教員という専門家から現場で教育を受けることで、若手療法士は多くの臨床経験を積み、将来は教員を目指したいと思う療法士が出てくることも期待しています。

藤田医科大学リハビリテーション部門の特徴

1. 特色ある臨床現場

藤田医科大学には、5つの病院(藤田医科大学病院、ばんたね病院、七栗記念病院、岡崎医療センター、藤田医科大学東京先端医療研究センター)がありますが、それぞれ特徴があります。藤田医科大学病院では、集中治療室に始まる超急性期リハビリテーション、回復期を経て在宅を含めた生活期リハビリテーションまで、ばんたね病院では都市型地域密着型の急性期リハビリテーション、七栗記念病院では集中的な回復期リハビリテーションを行なっています。岡崎医療センターでは、がんや先進治療のリハビリテーションが経験出来ます。療法士は入職後、上記4施設に加えて藤田医科大学地域包括ケア中核センターの5施設で、定期的異動制度を利用して、臨床経験を積むことができます。新卒療法士は、5年以内に2か所の施設を経験できるようアレンジしています。この制度は2002年から始まり、2023年現在で延べ452名もの療法士がこの異動制度を使い、藤田医科大学リハビリテーション部門の最低2施設以上で臨床経験を積み活躍しています。

2. 学習の機会

医学教育では臨床能力の教育と評価のためにOSCE(Objective Structured Clinical Examination)が行われていますが、藤田医科大学リハビリテーション部門では、新たに療法士版OSCEを開発し、各療法士に求められる技能スキルを確実に習得できるような工夫をしています。
より良い学習のためには、療法士の勤務体制も重要です。回復期リハビリテーション病棟では、療法士の職種ごとに3人1組のTriangle-pairsをチームの最小単位としています。そして、一人の患者さんには、主担当と副担当の2名が2:1の割合で担当し、主担当・副担当で情報共有や治療プログラムの議論を行います。教員、上級療法士、中堅療法士、若手療法士でTriangle-pairsを構成することで、良質な学ぶ機会が自然と得られるシステムを構築しています。
臨床現場以外での学ぶ機会も豊富です。藤田医科大学リハビリテーション部門研修会、七栗リハビリテーションセミナーでは、年6回以上の国内外の一流の臨床家・研究者による講演会を企画しています。さらに、ADL講習会、臨床動作分析講習会、動作分析と運動学実習などの企画も目白押しです。これらの講習会には若手療法士も積極的に参加できるよう支援しています。さらに、藤田医科大学は積極的に海外の大学とMOU(大学間協定)を締結していますが、藤田医科大学リハビリテーション部門でも、海外の臨床家との積極的な交流を行い、海外からの留学生の受け入れも行なっています。

3. 臨床に基づく研究活動

臨床と並行して、療法士の希望者は各研究チームに参加することが出来ます。研究チームは、医師、リハビリテーション学科教員、病院療法士等で構成されています。手厚い指導を受けながら、歩行・動作分析、装具開発、リハビリテーションロボット、摂食嚥下障害の病態生理学、リハビリテーション神経生理学、活動分析・モニタリングなどさまざまな先進的研究に取り組むことが出来ます。

療法士として自分の力を試したい方、しっかりとした療法士教育を受けたい方、新卒・既卒を問わずお待ちしておりますので、どうぞご連絡下さい。

コンタクト

 

 

教育の特徴

  1. はじめに

  2. 医師の教育の特徴

  3. 藤田医科大学リハビリテーション科専門研修プログラム

  4. 三重県リハビリテーション科専門研修プログラム

    三重県リハビリテーション科…

  5. 療法士の教育の特徴