リハビリテーション医学教育

療法士は、リハビリテーション医療にとって治療主体であり、効果的な療法士教育は、極めて重要な課題です。我々は教育の中心を「臨床」においています。医療者の本望は、「生涯で可能な限り多くの患者さんを救うこと」だからです。我が国の療法士教育の問題点を洞察し、新しい療法士教育システム(COSPIRE:the Clinical-Oriented System for Progression & Innovation of Rehabilitation Education)を実施しています。COSPIREでは、以下の項目を身につけるための教育方針です。

新しい療法士教育システム:COSPIRE
  1. Heart 心:人のためになるという利他的規範とともに、能動的姿勢と科学的好奇心を大切にし、優れた医療者になるという生き方を胸に抱きます。
  2. Brain 脳:科学的思考方法を身につけるには、メタ認知・メタ学習の視点が必要です。ノウハウと呼ばれる具体的/実用的な方法や知識を学ぶだけでなく、その学び方を学ぶこと(メタ学習)で生涯学習が可能となります。
  3. Hand 手:体系的な臨床実習による実地技術の獲得を重視します。藤田発の療法士版客観的臨床能力試験OSCE(Objective Structured Clinical Examination) が技術獲得の確実性を高め、豊富な実習時間が上質な能力をもたらします。
  4. Tool 道具:学習手段としてのコンピュータ識文、英語識文、教科書/文献利用能力の獲得が生涯進歩を約束してくれます。もちろん、藤田発のリハビリテーションロボットなど先進的ツールも目の前にあります。
  5. Suit スーツ:対人関係能力を身につけることは、患者さんや仲間との円滑なコミュニケーション構築に欠かせません。優れた対人関係能力がしなやかな臨床を可能にしてくれます。臨床実習の大きな目的のひとつです。

また、全国に先駆けて理学療法士・作業療法士のためのOSCE(Objective Structured Clinical Examination;客観的臨床能力試験)開発・導入を行なっており高い評価を得ています。また、教育内容の標準化・構造化を目標に、教育現場へのリハビリテーションロボットの活用も取り組み始めています。

療法士のためのOSCE(Objective Structured Clinical Examination;客観的臨床能力試験)

 

研究一覧

研究Research activities